理沙ちゃんは聞き流すようにして、視線はスマホに向いたまま。それでも私は話を続けた。
「実は私も理沙ちゃんと同じ中学3年生の時に、初めて彼氏ができたの。私も彼には頼りっぱなしで、その心の広さに安心してた」
私は辰巳さんから別れようって言われた時、自分のことよりも彼に好きな人ができたんじゃないかとか、私に飽きたからなんじゃないかとか、疑うことしかしなかった。
私は彼のことを一番に考えているつもりで、結局自分がどう思われたいとか、どうしたらもっと振り向いてもらえるだろうとか、そんなことばっかりを気にしていた。
「でも、そんなの長続きするわけないよね。付き合うってことは、寄り添い合うってことでもあって。私は今回のことでそれに気づいたから、今度は無理するんじゃなくて自然体で、一緒にいると何故かホッとするような、そんな恋愛をしたいって思ってる」
すると、理沙ちゃんの視線がやっと私に向いた。
「話が長い。だからアンタはおばさんなのよ」
「はは。そうだよね。ごめんね」
急にひき止められて、いきなりこんなことを言われたって迷惑なだけだ。
でも、聞いてほしかった。
同じ人を好きになった理沙ちゃんにはとくに。



