この恋は少しずつしか進まない






その日の帰り道。ひとりでとぼとぼと歩いていると、セーラー服を着た女の子と目が合った。

それは理沙ちゃんだった。

理沙ちゃんは無言で通り過ぎようとしたけれど、それを制止するようにひき止める。



「ちょっと、時間あるかな?」

不機嫌な理沙ちゃんを半ば強引に公園へと連れていき、私たちは空いていたベンチに座った。


「それでなに?私は忙しいし、これからデートなんだけど」

そう言って、膨れっ面でスマホを触る。


……デートって、加島かな。ということは、ふたりは上手くいってるってことだよね。

私はぎゅっと制服のスカートを握りしめて、今ある気持ちを全部理沙ちゃんに話すことにした。


「ねえ、理沙ちゃん。私、前に理沙ちゃんに、してもらうことばっかり求めるのは違う。恋愛はお互いに対等な立場で、なんて言ったことがあったでしょ?」

「………」

「偉そうなことを言わないでって理沙ちゃんに叩かれたけど、本当にそう。私も全然恋愛はうまくいったことがないんだ」