この恋は少しずつしか進まない







加島が家を出ていって二週間。

校舎でたまに加島の姿を見かけるけれど、私たちは以前のように話したりはしない。


最初は加島のことを目で追っていたけれど、それもなくなった。

ううん、自分でそうしなくなった。


考えてみれば、加島と同居する前はそこまで親しいというわけではなかったし、大勢いる後輩のひとりにすぎなかった。だから、元に戻っただけだ。


「水沢先輩ならどうしますか?」

「うーん。やっぱりさ、悩んでるってことは自分の関心の中にいるわけでしょ?それを捨てきるのは難しいっていうか、勇気を出して相手に歩み寄ることも大切だと思うよ」


私の周りには今日も悩みを抱えた一年生がやってくる。

中庭のケヤキの下で、身を乗り出して相談してくる姿は可愛いし、なんとか力になりたいとも思う。



「さすが先輩ですね!なんか吹っ切れました。ありがとうございます!!」


女の子は清々しい顔で、走り去っていく。そんな後ろ姿を見ながら、隣に座っていた美伽がぼそり。