【スタ文大賞3・応募規定あらすじ】

 高校2年の小山志保は、クラスの委員会で、生徒会総務という一番面倒くさい役割に当たってしまう。志保と同じ係りを担うことになったのは市ノ瀬隼人だったが、帰宅部の志保と違い、サッカー部で忙しい市ノ瀬は、真面目に総務の仕事に取り組むことはなく、志保は常に苛立っていた。

 その総務の仕事で知り合った3年の上川慶に、志保は秘かに憧れる。そのことに気づいた市ノ瀬は、志保への微かな思いを胸に秘めつつも、彼女の応援を始める。上川への思いが、好意なのか憧れなのか、志保自身がはっきりとしないまま、その気持ちだけは周囲の知ることになってしまう。

 志保は、市ノ瀬や同じクラスの津田志郎からもアプローチを受けるが、そのことに全く気がつかないまま日々を過ごしている。やがて同じクラスの女の子が、津田に告白する様子を目撃し、自分の上川への想いが、恋心ではないと気がつく。市ノ瀬に対する自分の想いが何なのか分からないまま、時間だけが過ぎてゆき、やがてそれが恋心だったと気づく。