だからある日、学校で自分が嫌われていると知った時、空が落ちてくるような衝撃と、とどめを刺された絶望が同時に襲い掛かった。


 今までの自分が崩れていく、そんな瞬間を自分自身の目で時を超越したスローモーションでみてしまった。


 最悪の瞬間がやってきてしまった。


 もう生きていけないほどに打ちのめされ、弱気で臆病な呆然自失の自分がそこに居た。



 仲良くしていたと思っていた友は、自分の粗を探すために見張っていたスパイ。

 そんな事も知らずに、心許して何でも話していた自分。


 時には人に聞かれたらいけないような事も、そいつになら正直に話せた──というより、自分と同じ思いでいると思ったから共有したにすぎなかった。


 ところが、それが罠だった。


 そこに尾ひれをつけて、もっと心証が悪くなる方向へと話をすり替えて、クラス中に言いふらした。

 自分よりも人望があるそいつの言葉は、例え嘘が混じっていてもそれをみんな鵜呑みにしてしまう。


 裏切りとそれに飲み込まれ同調する周りの人々。


 流れは、嫌悪の対象として疎外され、がんじがらめに意味もなく負の鎖を巻き付けられる。

 身動きとれず、悔しい気持ちで苦痛に震えながら、怯える毎日が続く。


 それはただのきっかけに過ぎなかったのか、そこから負の連鎖が続き、汚いものでも見るような目つきの奴らには、とことん僕は、悪者にされていく。

 どんなにもがいてもいい方向に行かない、運の悪さ。


 心には傷。
 体には身を守るための精一杯の棘。


 それが武器にもならないとわかっていても、悔し紛れに無意味な対抗をしようとしていた。

 アップアップと苦しくて、かろうじて息を吸おうと水から顔を出そうとする。

 そんな自分にも、まだなんとかなると、かすかな希望があったのかもしれない。


 自業自得と言えばそれまでだが、本心は誰かに助けてほしかった。

 手を差し伸べてほしかった。


 僕は絶望のなかで、何かにすがろうとしていた。