昨日、黎の気配が一時的に消え――翌今日は、様子がおかしい。 ……喰らったか。 門叶は恋人と簡単に口にしたが、まさかそのような存在が出来たのでは―― 「あの馬鹿め」 もし相手が、普通の人間であったら――妖異怪異の類であったら―― 「………」 今は、自由にさせておくか。 恋ごとに、じじいが顔を突っ込むのもあんまりだ。 でもいつか、黎――あの孫が、恋人の紹介なんてしてきたら……。 「……ずっと一緒にいてくれる子なら、よいか」 ぐりぐりと、門叶の頭を撫でまわした。 楽しみに、待っているぞ。