私とママは、二人のいたアパートから一番近い、影小路所有の家で暮らすことになった。

もちろん紅緒様も一緒だ。

紅緒様が早々に――意識を取り戻した日に――決めて来たので、私もママも、それぞれ住んでいたところから直接、影小路の家に移ることになった。

「真紅ちゃんの方から引っ越ししちゃいましょうね」

ママの提案で、そうなった。

「え、黎?」

ママのアパートから住んでいた方へ戻ると、そこには黎がいた。

「引っ越し、手伝えることがあったら思って」

「あ、ありがとう……。病院とか学校は大丈夫なの?」