「……黎?」
 

気を取り直して、進んでいた方を向く。


「自己紹介の続きだったな。俺は母親がイギリス人。父親が日本人。今は家を出て、昔から世話になってる知り合いのとこにいる。彼女はいないから、誰をすきになっても問題なし」


「イギリス人? ハーフ?」


「そう。寝る前に話したのと足せば、母親がイギリスの血を引いた吸血鬼。父は日本の、こっちも半分くらい人間ではない一族の当主。簡単に言えば鬼と人の血が混じった鬼人って言われる類」


「それで……私の血? でも、助けてくれたんだよね?」


「うん。俺は完全な吸血鬼ではないから、いろいろ小手先が効く。俺の血を真紅に送った」


「黎の血を? え、じゃあ、今私――」


「真紅に流れてるのは、俺の血が混じってる」


「そんなことも出来るんだ。すごいなー」


「……それ以外にツッコむことないのか?」


「あ、っと。鬼の一族って言うのは、やっぱり日本には妖怪変化がいるの?」
 

……そこ?