「……小路流の宗家。陰陽師の家、なんだって」

「陰陽師?」

「うん。私、そこへ入るって決めたんだ」

「……転校したら、逢えなくなる?」

海雨の声は淋し気に揺れている。

「ならないよ。何度でも逢いに来る。……もう一つ話すことがあるんだけど、聞いてくれる?」

「………」

海雨は否定も肯定もしなかった。

「黎と、付き合うことになった」

「ほんとっ⁉ 黎さんに告白したの⁉」

「告白……あれ? してないな……でも、いつか結婚しようって言われた……」

私の独り言じみた言葉に、海雨はびっくりした。