隣を歩く黎明の吸血鬼。背が高いなあ……。私は平均身長だから、その顔を見ようとすれば大分見上げる形になる。 「……私、あなたに助けられた、んだよね……?」 「俺の名前わかるか?」 「……黎。黎明の、れい」 憶えていた。知り合いにはいない名前。眠る前に聞いた名前。この人のものだった。 もう一度呼んだ。「黎?」と。 「あたり。ちゃんとわかってるな」 「黎さん?」 「呼び捨てでいい」 黎明の吸血鬼――黎は続けて説明した。