………。
 

傷に、素肌に、手が触れている。
 

不審者の。


「……ギャーッ! 何すんだ色魔! 変態!」


「傷治ってるか見るだけだ。騒ぐな。人気(ひとけ)がないからって人がいないわけじゃねえんだ。見つかったら恥ずかしいのはお前だぞ?」


「恥ずかしい原因作ってる奴が言うな!」
 

な……何なんだこれ! 何の仕打ち⁉


「ひゃっ!」
 

急に背中に手を当てられてびくりとしてしまった。


冷たっ! 手が滅茶苦茶冷たい! こいつどれだけ外にいたの⁉


「結構深く斬られているな。……いや? これって……」
 

何やら独り言ちているけれど……何でもいいから早く服を着させてーっ!


「うう……あんまりだよ……何が哀しくてこんな醜態……」


「騒ぐな」
 

呆れ気味に言われた。