恐怖はなかった。

ただ、私をじっと見てくる妖異たち。

その姿に最初は驚いたけど、怖いとは思わなかった。

ママは、そっと私の肩を抱き寄せた。

「……いつか、真紅ちゃんの旦那様が見たいわ。私とも仲良くしてくれたら嬉しいわね」

「………うん」

叶うなら、あの人がそう在ってくれたら。

ママの肩に、額を押し付けた。