陽華の吸血鬼①【一人称修正ver.】【完】


ママはたくさんのご飯を作って待ってくれていた。

同じ食卓について、出来たての料理を食べて、やっと心は落ち着いて来た。

「真紅ちゃんは桜城架くんのこと、すきなの?」

布団を敷いて寝る準備をしているときに、ママが唐突に訊いて来た。

私は思いっきりむせてしまった。

「あらあら、大丈夫? 恥ずかしいの?」

「まっ、ママ……、桜城くんは友達。そんで、桜城の家の人だから私の傍にいてくれただけだよ。……さっき桜城くんに挨拶してたんだから、おうちのことは知ってるんじゃないの?」

『君が桜城くんね――』

確かにママはそう言った。

恨みがましく睨むと、ママは口元を手で隠してわざとらしく微笑んだ。