「あの、白ちゃん、桜城くん。……珍しい苗字ではないと思うんだけど、桜城くんとうちが同じ苗字なのって、なんかあったりする?」
今まで、『同じ苗字だから桜城くんに構われている』程度でしかなかったけど、こうも名前に重きを置かれると勘ぐってしまう。
「真紅の家とか? そういうのはないが……過去の中には、関わりはあったかもな。架の桜城家は鬼人の中でも中立で、人間に害悪なす妖異を抑えたりが得意でな。調停役というか。今では影小路の従家(じゅうけ)という立場だが、それまでは対等でもあったんだ。何代か前の小路の奴が、その代のちょっとはっちゃけた桜城の鬼人をぶっ飛ばしてそうなったらしいな」
「………」
そっと桜城くんを見遣った。
桜城くんは両手で顔を覆っていた。
「……本当らしいんだ。うちのご先祖は小路相手に何かやらかしたらしいんだよ……」
相当心痛な過去があるようだ。深くは突っ込まないでおこう。



