陽華の吸血鬼①【一人称修正ver.】【完】


白桜さんが謝ると、ママは「ふーん?」と唸った。

そのあと、うずくまったままの黒いものを見て目を輝かせた。

「黒ちゃん⁉ わーっ、久しぶりねえ!」

「えっ? あ、はい……」

ママに呼ばれて、黒藤さんが立ち上がった。

……白桜さんの拳がヒットしたらしい左頬がかなり紅い……。白桜さん容赦ないな。

「黒ちゃんが一歳のとき以来かしら」

「……やはり母上が眠る前にお逢いしたことがありましたか」

「ええ。紅緒に呼ばれて、外でね。んー、成長してみれば無涯(むがい)そのものね」

「……紅亜様、出来たらその言いようだけはおやめください」