「君が桜城くんね。真紅ちゃんと仲良くしてくれてありがとうね」
ママが微笑むと、桜城くんは目に見えて戸惑っていた。
紅亜さま、とか呼ばれるんだ……。
「お邪魔しちゃった。ごめんね、白(はく)ちゃん」
「いえ。どうされました?」
「真紅ちゃんを迎えに来たら、御門の御符があったから、白ちゃんあたりが来ていてお話中かなーと思って」
「ご推察の通りです」
「でも白ちゃん。真紅ちゃんの件は、あくまで小路の話よ? あとは関わってもいいところ桜木の家だけ。……どうして白ちゃんが?」
「小埜古人の翁(おきな)より文をいただきました」
「小埜のおじいさん? なんでまた……」
「それは、お話は出来ませんことお赦しください」



