陽華の吸血鬼①【一人称修正ver.】【完】


「君が桜城くんね。真紅ちゃんと仲良くしてくれてありがとうね」

ママが微笑むと、桜城くんは目に見えて戸惑っていた。

紅亜さま、とか呼ばれるんだ……。

「お邪魔しちゃった。ごめんね、白(はく)ちゃん」

「いえ。どうされました?」

「真紅ちゃんを迎えに来たら、御門の御符があったから、白ちゃんあたりが来ていてお話中かなーと思って」

「ご推察の通りです」

「でも白ちゃん。真紅ちゃんの件は、あくまで小路の話よ? あとは関わってもいいところ桜木の家だけ。……どうして白ちゃんが?」

「小埜古人の翁(おきな)より文をいただきました」

「小埜のおじいさん? なんでまた……」

「それは、お話は出来ませんことお赦しください」