「黒藤さん、大丈夫なの?」 「あ、うん。いつものことだから。若君は当代最強って言われるくらいなんだけど、あの通り白桜さんが絡むと色々残念で……。若君ほどの強者なら跡継ぎを望まれるから、早く諦めてほしいんだけどね」 「跡継ぎって……やっぱり他の一族? だから無理だってこと?」 桜城くんは目をしばたたかせた。不思議そうな顔で。 「それ以前の問題だよ? 白桜さんは男だから」 「へ? 女の子でしょ?」