陽華の吸血鬼①【一人称修正ver.】【完】


色素の薄目の髪と、黒い瞳。肌も白く、顔の造りも中性的だ。

るうちゃんはなんと呼ぼうとして怒られたのだろう。

「げっ……白桜(はくおう)さん……」

私の隣でうめいたのは桜城くんだった。

「おう架。お前は帰っていいぞ。他の奴らに聞かれないように結界は張ったが、出て行くのは自由だ」

「……帰りませんよ。なんでそう意地悪いんですか、貴方は」

「生まれつきだ。気にするな」

「……疲れます」

はあー……と、桜城くんは長く息を吐いた。

……昨日から相当お疲れのようだ。

「若君の次は白桜さんって……なんなんですか? 真紅ちゃんをこれ以上混乱させないでくださいよ」