陽華の吸血鬼①【一人称修正ver.】【完】


「るうちゃん?」

『当たりじゃ。真紅嬢よ』

小鳥がくちばしを動かすと、同時に声が聞こえる。

「るうちゃん……喋れたの?」

『当然じゃ。涙雨は黒の若君の式ゆえの。友人のところへゆかれる前に、真紅嬢を待っておる方がいらっしゃる』

「……もしかして、黒藤さん?」

『黒の若君の幼馴染の白い陰陽師じゃて』

「真紅ちゃん? 涙雨が喋ってるの?」

「へ? うん。桜城くんには聞こえないの?」