「るうちゃん?」 『当たりじゃ。真紅嬢よ』 小鳥がくちばしを動かすと、同時に声が聞こえる。 「るうちゃん……喋れたの?」 『当然じゃ。涙雨は黒の若君の式ゆえの。友人のところへゆかれる前に、真紅嬢を待っておる方がいらっしゃる』 「……もしかして、黒藤さん?」 『黒の若君の幼馴染の白い陰陽師じゃて』 「真紅ちゃん? 涙雨が喋ってるの?」 「へ? うん。桜城くんには聞こえないの?」