陽華の吸血鬼①【一人称修正ver.】【完】


「……兄貴から聞いたの?」

桜城くんの声は落ち着いていた。私を見る眼差しも。

……腹を括るしか、ない。

「……うん」

「兄貴が……桜城の中では異端だってことも?」

それは、黎だけが吸血鬼だということだろうか。

刹那悩んだけど、やっぱり肯いた。

「そっか。……兄貴は本当に、真紅ちゃんにならなんでも話せるんだね」

桜城くんは自嘲気味に言う。