「……兄貴から聞いたの?」 桜城くんの声は落ち着いていた。私を見る眼差しも。 ……腹を括るしか、ない。 「……うん」 「兄貴が……桜城の中では異端だってことも?」 それは、黎だけが吸血鬼だということだろうか。 刹那悩んだけど、やっぱり肯いた。 「そっか。……兄貴は本当に、真紅ちゃんにならなんでも話せるんだね」 桜城くんは自嘲気味に言う。