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その日の放課後、私が一人で帰ろうとしていると、
「真紅ちゃん」
桜城くんが現れたけど、もう今までのように女子の視線を気にする必要はなさそうだ。
むしろ、『みんな公認の桜城くんの友達』、ということになってしまった。
……友達。嬉しい評価だけど、その中にはある種、主従関係が発生していることは口が裂けても言えない。
「今は、黎の代わりに護らせて」
小さく言われて、はっとした。
桜城くんの家、桜城家にとって影小路が主家であるから、そこに連なる私も護る対象になっているのか。
うーんと頭の中で唸る。……少し訊きたいこともあるから、ご一緒するか。
「桜城くんて、……黎のこと、嫌ってるわけではないんだよね?」
その日の放課後、私が一人で帰ろうとしていると、
「真紅ちゃん」
桜城くんが現れたけど、もう今までのように女子の視線を気にする必要はなさそうだ。
むしろ、『みんな公認の桜城くんの友達』、ということになってしまった。
……友達。嬉しい評価だけど、その中にはある種、主従関係が発生していることは口が裂けても言えない。
「今は、黎の代わりに護らせて」
小さく言われて、はっとした。
桜城くんの家、桜城家にとって影小路が主家であるから、そこに連なる私も護る対象になっているのか。
うーんと頭の中で唸る。……少し訊きたいこともあるから、ご一緒するか。
「桜城くんて、……黎のこと、嫌ってるわけではないんだよね?」



