陽華の吸血鬼①【一人称修正ver.】【完】


――私が恐れているのは、影小路じゃない。

自身の中でははっきりとわかっていた。

……退鬼師なんてものの、血筋であることが嫌だ。

ごめん、なさい……。

もう逢えないのは、私の方だった。

そしてその血であることを、私はもう想像の中ですら否定出来ない。

この部屋の中には、るうちゃん以外のモノはいない。

部屋の外、さきほど見た窓の外には、樹が見える。

その枝という枝に、今まで漫画や映画の中でしか見たことのなかった、形容しがたいモノが並んでこちらを見ていた。

あれが……おばけとか、幽霊とかいうモノ。

るうちゃんの本当の姿が視えていると知った黒藤さんは、私に言った。