陽華の吸血鬼①【一人称修正ver.】【完】


「私に、色んなこと、教えてくれた。ママと黒藤さんのお母さんが双児の姉妹とか、私は……転生だ、とか……」

桜木は、退鬼師の血筋だ、とか。

ぽつぽつ、顔をあげられずに話すと、そっとママの手が私の頭を撫でた。

「隠していて、ごめん。真紅ちゃんを護ることは紅緒との約束だから、違(たが)えられなかった……。私は、母親として。紅緒は、当主として」

また、唇を噛んだ。知っていた。ママは、知っていた。

「……ママは、全部、知ってるの? くれおさんのことも……私、護るために、今は……」

「紅緒が眠っているのは、紅緒が選んだやり方のためよ。……紅緒も大概型破りだったわ。お父様も、紅緒だけはコントロール出来ないってよく嘆いていたくらい……」