病院で真紅ちゃんを見つけたとき、傍らにいた兄貴。

俺が真紅ちゃんの名前を呼んだら、兄貴と真紅ちゃんの間に割って入ったら、ものすごく不機嫌になっていた。

「……お前、なんで誤解受けるほど真紅の傍にいるんだよ」

「………だから家に興味持てって言ってるんだよ」

「お前こそ真紅のこと……」

「俺のはそういうんじゃない」

俺が真紅ちゃんの傍にいる理由は、恋愛感情どうのではない。

堂々巡りは、結局そこに帰ってしまう。

兄貴が何も知らないから、真紅ちゃんが何も知らないから。

俺だけが、知っているから。