「……おい真紅」 「うん?」 「まさかお前の男友達ってこいつじゃ……」 「そうだよ? 桜城くん」 私がそこまで言うと、黎は片手で顔を覆ってため息をついた。 「……なんでよりによって架なんだ……」 「へ?」 かける? 下の名前で呼んだ? 私が黎に意識をとられている間に、桜城くんは距離を縮めていた。 その勢いのまま、黎の胸倉を摑み上げた。 身長では黎の方が上だから、桜城くんは見上げ睨みつける。 「なんで黎が真紅ちゃんの彼氏なんだよ」