「なるほど?」

中庭のベンチで、私は黎の隣に座っていた。

「男友達との誤解を解くために彼氏役が必要だったと?」

「うん……おなごは口先だけじゃ信じてくれなくてね……」

哀愁漂う私に、黎は不機嫌そうな顔をしている。

「そんなに仲いい奴、いるんだ?」

「別によくはないよ? よく話しかけてくれるのを、周りの女子が勘ぐっちゃってるだけだから」

「でもそれ、ヤローの方には下心あんだろ」