「よかった! お礼がしたからこれからどこか行かない?」


「ど、どこかって……2人で?」


「もちろん! あ、でも信吾が友達誘いたいなら一緒でもいいよ?」


「ふ、2人でいい!」


すぐにそう返事をしてしまう信吾に笑ってしまいそうになる。


素直に嬉しさを表現すればいいのに、どこかでカッコつけようとしているのがわかった。


「そっか。なにか奢るよ。ファミレスでもいい?」


ファミレスを選んだのは学校の近くにあるからだった。


放課後になると制服姿の学生たちが多くなるから、あたしたちがこっそり後を付けて行っても怪しまれない。


「ど、どこでもいいよ」


信吾は高揚した様子でそう返事をしたのだった。