なんだそんなことかと思いながらもハンカチを受け取り、克也を見る。


「なんだよ」


「克也って、もしかして高宏の家を知ってる?」


そう聞くと、克也は「そりゃ知ってるけど?」と、首を傾げて頷いた。


やった!


高宏の家がわかれば美花の家もわかるはずだ。


「お願い。高宏の家がどこか教えて!」


「いいけど……お前ら今から高宏の家に行くのか」


「色々と事情があるの!」


こんなところでモタモタしていたら、絶好の撮影チャンスを逃してしまうかもしれない。


「なんか急いでそうだな。それなら俺も一緒に行くよ。あいつの家ちょっと説明しずらい場所にあるから」


克也はそう言い、早々に靴を履き替えはじめた。