その後、あたしたちは予定通り葬儀場へと来ていた。


途中でいなくなったあたしたちに先生は怒っていたけれど、それ所じゃなかった。


裕は教室に盗聴器を仕掛けているかもしれない。


それが本当なら、なんとしても見つけ出して裕の弱味を握りたかった。


「弘江、放課後もう1度裕の家に行ってくれない?」


学校へ戻って来てから、あたしは弘江へそう言った。


「また?」


弘江は顔をしかめている。


裕のあの様子を見ていたら、誰だってもう関わり合いたいとは思わないだろう。


「教室内のどこかにある盗聴器を見つけるよりも、裕の部屋から盗聴の証拠をとる方がずっと早いでしょ」


「そうかもしれないけど……」


それでも弘江はまだ渋っている。