裕の家は小さな一軒家だった。


瓦屋根で、クリーム色外壁をしている。


所々ヒビの入った壁は年季が入っていることを物語っていた。


チャイムを鳴らすが中から人が出て来る気配はない。


けれど電気がついているようなので、きっと誰かがいるのだろう。


「裕、いるの?」


あたしは玄関に近づいてそう声をかけた。


「学校のプリント持って来たよ!」


先生から預かって来たプリントを持ってヒラヒラさせながらそう言った。


裕としても勉強は続けたいところだろう。


せっかく大学へ進学するのだから、高校は卒業しなきゃいけない。