やがて私たちは掃除を始めた。 まだ昇りかけの太陽の下、私は水に濡れて冷えた手に息を吐く。 掃除が終わると花を挿し、蝋燭に火をつけて線香を供える。 買ってきたれーちゃんの好物を並べる。 私は内ポケットから“結城玲奈様へ”と書かれた手紙を出す。 マッチを擦り、手紙に火をつけた。 手紙は地面の上で燃えつきる。 これでどうか、れーちゃんに届きますように。 私は左手に数珠をかけて手を合わせた。