タワシが育つた町にあった。
昼のお祭りめいた屋台で一緒に遊んだ。ひとつ年上の男の子。
その頃の缶ジュースはプルタグが今より大きかったし、タワシの小指も細かったから、ソレを「結婚指輪」としようと、二人でクスクス笑いながら遊んだ。

内弁慶の人見知りで、学校では世間話ができず、近所の人や、家族の中でも、ひとつ上の姉としか、お喋りが出来ないタワシ。が、1回きりのデートしか関係の無い男の子と手をつないだり、元気にお喋りしたり、と特別な想い出である。