そんなライラから至近距離を保った状態でヴェンは不敵な笑みを浮かべ尋ねた。
「どちらがよかった?」
「え」
あまりにも掠れた声に、自分で音になったかどうかライラにはわからなかった。けれど今はどうでもいい。スヴェンは表情を崩さない。
そして彼の形のいい唇が動く。
「俺とあいつと」
言い終わると同時に再び唇が重ねられる。さすがに今度は抵抗を試みようとしたライラだが、スヴェンにきつく抱きしめられ阻まれる。
それどころか体重をかけられ、そのまま後ろに倒される。覆いかぶさられる形になり背後にはベッドの感触を受け、ますます逃げられない。その間もスヴェンからのキスは続けられたままだった。
引き結んだライラの唇をほどくように、何度も角度を変えて口づけられる。息するタイミングさえ掴めず、ライラの胸は苦しさでいっぱいになった。
けれど乱暴に扱われている感じはせず、口づけられながら慈しむように頬や頭に触れる手は心を落ち着かせていく。
涙が滲みそうになったところで、ゆっくりとライラは解放された。
キスする前とは一転して、ライラを見下ろすスヴェンは複雑そうな顔をしている。なにか言いたいのになにを言えばいいのかわからない。
その前に声が出せない。ライラは肩で息をして、必死に肺に空気を送り込む。荒い呼吸の音だけが部屋に響いた。
スヴェンはベッドに舞ったライラの髪に指を通すが、その動きはどこかぎこちない。そして彼女の顔を、左目を覆う前髪に手を伸ばしたとき、拒否するようにライラは顔を背けた。
「どちらがよかった?」
「え」
あまりにも掠れた声に、自分で音になったかどうかライラにはわからなかった。けれど今はどうでもいい。スヴェンは表情を崩さない。
そして彼の形のいい唇が動く。
「俺とあいつと」
言い終わると同時に再び唇が重ねられる。さすがに今度は抵抗を試みようとしたライラだが、スヴェンにきつく抱きしめられ阻まれる。
それどころか体重をかけられ、そのまま後ろに倒される。覆いかぶさられる形になり背後にはベッドの感触を受け、ますます逃げられない。その間もスヴェンからのキスは続けられたままだった。
引き結んだライラの唇をほどくように、何度も角度を変えて口づけられる。息するタイミングさえ掴めず、ライラの胸は苦しさでいっぱいになった。
けれど乱暴に扱われている感じはせず、口づけられながら慈しむように頬や頭に触れる手は心を落ち着かせていく。
涙が滲みそうになったところで、ゆっくりとライラは解放された。
キスする前とは一転して、ライラを見下ろすスヴェンは複雑そうな顔をしている。なにか言いたいのになにを言えばいいのかわからない。
その前に声が出せない。ライラは肩で息をして、必死に肺に空気を送り込む。荒い呼吸の音だけが部屋に響いた。
スヴェンはベッドに舞ったライラの髪に指を通すが、その動きはどこかぎこちない。そして彼女の顔を、左目を覆う前髪に手を伸ばしたとき、拒否するようにライラは顔を背けた。


