太陽が沈んだ後、昨日と同じように寝支度を整えてからローブを羽織り、ライラはスヴェンの部屋を訪れていた。部屋まではマーシャが付き添うが、そこからはふたりきりだ。
なにもないとはいえ夜に異性の部屋で一対一というのはどうも緊張してしまう。
だからかライラは部屋に入ると素直にベッドに行かず、ソファに腰掛けて自分の動揺を誤魔化すように呟いた。
「お茶に関してはスヴェンの反応が正解だったかも」
「だから言っただろ」
返事など期待していなかったから逆に驚く。スヴェンは明かりを近くで受けるため、部屋の洋燈近くの壁に背を預けなにかの書物に目を通していた。
視線が交わったりはしない。けれどライラは会話が続いたのをいいことにさらに話しかける。行儀が悪いのも承知でソファの背もたれから身を乗り出しスヴェンの方に体を向けた。
「でも効果は抜群だったよ。飲んだ後で眠たくなって少し寝てしまったくらい」
「それでそんなに元気なのか」
呆れたように返され、ライラは言葉に詰まる。するとスヴェンは読んでいた本を閉じてライラに顔を向けた。
「マーシャに聞いたのか?」
「え?」
「俺のこと。だからシュラーフをわざわざ?」
眉間に皺を寄せながら尋ねられた言葉は、色々と省略された言い方だった。けれどライラはスヴェンの言い旨を悟る。
目を閉じて小さくかぶりを振った。
「ううん。シュラーフは薬草園に行くついでに偶然、教えてもらったの。スヴェンがあまり眠れないって話だけをちらっと聞いたよ。でも詳しい事情は聞いていないから。心配しなくても聞くつもりもない」
あまりにもきっぱりと言い放ったからか。信用できない、というよりも理解不能という表情をスヴェンは浮かべている。
なにもないとはいえ夜に異性の部屋で一対一というのはどうも緊張してしまう。
だからかライラは部屋に入ると素直にベッドに行かず、ソファに腰掛けて自分の動揺を誤魔化すように呟いた。
「お茶に関してはスヴェンの反応が正解だったかも」
「だから言っただろ」
返事など期待していなかったから逆に驚く。スヴェンは明かりを近くで受けるため、部屋の洋燈近くの壁に背を預けなにかの書物に目を通していた。
視線が交わったりはしない。けれどライラは会話が続いたのをいいことにさらに話しかける。行儀が悪いのも承知でソファの背もたれから身を乗り出しスヴェンの方に体を向けた。
「でも効果は抜群だったよ。飲んだ後で眠たくなって少し寝てしまったくらい」
「それでそんなに元気なのか」
呆れたように返され、ライラは言葉に詰まる。するとスヴェンは読んでいた本を閉じてライラに顔を向けた。
「マーシャに聞いたのか?」
「え?」
「俺のこと。だからシュラーフをわざわざ?」
眉間に皺を寄せながら尋ねられた言葉は、色々と省略された言い方だった。けれどライラはスヴェンの言い旨を悟る。
目を閉じて小さくかぶりを振った。
「ううん。シュラーフは薬草園に行くついでに偶然、教えてもらったの。スヴェンがあまり眠れないって話だけをちらっと聞いたよ。でも詳しい事情は聞いていないから。心配しなくても聞くつもりもない」
あまりにもきっぱりと言い放ったからか。信用できない、というよりも理解不能という表情をスヴェンは浮かべている。


