「スヴェンは、私のこと……」
腕の中でライラがおずおずと問いかける。続けられる言葉を遮り、スヴェンが強く言い切った。
「愛してる。誰にも触らせたくないし、渡さない」
ライラが顔を上げると、真剣な表情のスヴェンと目が合う。そのまま顔が近づき口づけられた。今まで幾度となくキスを交わしてきたのに、こんなにも幸せで満たされるのは初めてだ。
瞳を閉じて受け入れているとしばらくしてスヴェンから唇を離す。
「冷えてるな」
至近距離で心配そうな顔が映る。今更ながら胸をときめかせて、ライラは首を振った。
「だ、大丈夫。スヴェンこそ大事な迎冬会を抜け出しちゃって」
「俺のことはいい。部屋まで送っていくからおとなしく待ってろ」
闇夜の寒空の下では、確実に体温を奪われる。ましてやライラは格好が格好だ。
スヴェンのマントをかけられ促されると、ライラは部屋に戻るため一歩踏み出す。
エスコ―トする形で手を取られ、意識せずとも緊張する。
「スヴェンはどうして、私がわかったの?」
半歩先を歩くスヴェンに、ライラは問いかけた。
肩先までの髪は編み込まれてすっきりとまとめ上げられ、格好も初めてのドレスだ。素顔も隠していたし、仮面から覗く瞳の色だってもう珍しくはない。
スヴェンはちらりとライラを見て、端的に答えた。
「自分の妻だからな。どこにいても、どんな姿をしていても見つけられる」
そこで触れ合っていた手が強く握られる。ライラは顔を赤らめながらも目を細めて、大きくて骨ばったスヴェンの手を握り返した。
腕の中でライラがおずおずと問いかける。続けられる言葉を遮り、スヴェンが強く言い切った。
「愛してる。誰にも触らせたくないし、渡さない」
ライラが顔を上げると、真剣な表情のスヴェンと目が合う。そのまま顔が近づき口づけられた。今まで幾度となくキスを交わしてきたのに、こんなにも幸せで満たされるのは初めてだ。
瞳を閉じて受け入れているとしばらくしてスヴェンから唇を離す。
「冷えてるな」
至近距離で心配そうな顔が映る。今更ながら胸をときめかせて、ライラは首を振った。
「だ、大丈夫。スヴェンこそ大事な迎冬会を抜け出しちゃって」
「俺のことはいい。部屋まで送っていくからおとなしく待ってろ」
闇夜の寒空の下では、確実に体温を奪われる。ましてやライラは格好が格好だ。
スヴェンのマントをかけられ促されると、ライラは部屋に戻るため一歩踏み出す。
エスコ―トする形で手を取られ、意識せずとも緊張する。
「スヴェンはどうして、私がわかったの?」
半歩先を歩くスヴェンに、ライラは問いかけた。
肩先までの髪は編み込まれてすっきりとまとめ上げられ、格好も初めてのドレスだ。素顔も隠していたし、仮面から覗く瞳の色だってもう珍しくはない。
スヴェンはちらりとライラを見て、端的に答えた。
「自分の妻だからな。どこにいても、どんな姿をしていても見つけられる」
そこで触れ合っていた手が強く握られる。ライラは顔を赤らめながらも目を細めて、大きくて骨ばったスヴェンの手を握り返した。


