「…可愛い」
なんだか普段がクールすぎるせいか
その表情は幼くて、弟を思い出した

不覚にも泣きそうになる

海晴は、私より3つ下で産まれたときから身体が弱かった

入退院を繰り返していて今も入院している

「は、」
次はいつ、家に帰ってこれるかな
なんて考えていたら

花咲君の戸惑ったような怒ったような声が聞こえてきた

「ごめん、何?」

「無意識かよ。」
その顔が赤いのは何故?

私が考えていると

「まぁいいや」と花咲君は普段通りの顔になった

だから、私もまた海晴のことを考える

脳内に流れてきたのは一昨日の海晴だった