「……そ、その前に、彼方くんはテストを頑張らないとダメでしょ。今年から、赤点取った人は夏休みに課外授業があるみたいだよ」


私が話を逸らすかのようにそう告げると、ギョッとした顔をする彼。


「ゲッ、マジで!課外授業!?そんなのあったっけ?」


「うん。だから、お祭り行きたいんだったら、まずは赤点取らないように勉強したほうがいいんじゃない?」


言われて、みるみるうちに顔色が悪くなっていく彼。


ちなみに彼は、この前の中間テストの数学で、赤点を取ったらしい。


「うわー、マジか。赤点……他人事じゃねぇ」


片手で顔を押さえ、そんなふうに呟く彼方くんを見ると、なんだかクスッと笑ってしまいそうになる。


リアクションが大きいところは相変わらずなんだ。


「とりあえず、テスト勉強頑張ろうね」


「……うん」


私の言葉に、彼方くんはしみじみとした顔で頷いた。


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