「和輝くんおはよ!」




学校の近くにある歩道橋の手前で




スマホを見ながら待っている和輝くんに声をかけた。





「おはよ」




そう言うと、和輝くんはスマホをポケットに入れた。




2人で一緒に学校に行く。




歩道橋の階段を下りていると




最後の1段で気を抜いてしまい、私は転んでしまった。




「痛…っ…た……」




膝をすりむいたのだ。




「大丈夫か?立てる?」




膝から血が出ている。




ひりひりしててものすごく痛い。




周りの人も見てる……。




「……ほら」




「えっ?」




なんと、和輝くんが私に背中を向けてきたのだ。




「……乗れって、こと?」




「早くしろって」




そうだよね。




みんな見てるもんね。




「わ、わかった」




私は、和輝くんの大きな背中に体を預けた。