「もう、大丈夫。すこし元気でた」
「よかった」
小声での会話を終えると
そのタイミングで、明莉と吉澤くんが教室に入ってきた。
「説明するのに戸惑っちゃった」
と、少し焦りながら言う明莉。
吉澤くんが、目の前にいる……。
全く、ドキドキしなかった。
多分、もう吉澤くんに対しての
恋愛感情が無いから……?なのかもしれない。
それぐらいの予測しか、私には出来なかった。
おかげで、この2人の事。
ちゃんと応援する事が出来る。
きっと、これから明莉の惚れ話や、相談に
戸惑うかも知らないが、心の底から
応援する事が出来るのなら……
私は満足だ。
2人に対して、心残りはない。
「明莉の事。幸せに、してあげてね」
吉澤くんを見て、そう言った。
「わかってる」
「泣かせたら……今度こそ許さないから」
脅しみたいになっちゃったかな。
でも、本当の事。
散々、吉澤くんの事で、泣かせられてたから。
そんなことがないように、幸せにしてあげて欲しいと
心の底から思った。
2人のこと、完全に信じる事はまだ出来ないけど
明莉の口から聞けたことは、本心だと分かったから
もう、きっと大丈夫。