「食べよっか」
明莉が言った。
「か、ず……吉澤くんの所行かなくてもいいの?」
疑問を口にした。
和輝くんと言いかけたけど……
それほど明莉は気にしていなかった。
「呼んでも……いい?」
明莉はそう言った。
ここに、和……吉澤くんが来るの……?
明莉から目をそらし
晴翔くんの袖を掴み、晴翔くんを見つめた。
「俺は、いいけど……」
そう言うと、見つめ返してきた。
明莉をもう一度見ると、なんだか不安そう。
そっか。
私に嫌われるか、怒られるか、の
を覚悟の上で、聞いてきているんだ。
「いい、よ……私は、大丈夫」
「本当に?」と、聞いてきたので
「うん、大丈夫」そう答えた。
「呼んでくるね!」
飛び出して呼びに行った。
明莉がいない間に、晴翔くんが
私の顔を覗き込んで
「いろいろと、本当に大丈夫か?」
と、聞いてきた。
「大丈夫、だけど……
少しの間でいいから、ぎゅってして欲しい」
いろんな感情で押しつぶされそうだった。
不安や、恐怖。
自分の震えが止まっていない、事だって知ってる。
強く強く、ぎゅっとしてもらった。
頬を赤く染めながら
私をぎゅっーと、する晴翔くんは
きっとすごい緊張してるのだろう。
私にも、緊張感が伝わってくる。