「ねえ、私に仕返しでもしたいわけ?

私は、椿を裏切ったんだよ?」





クラスのみんなが




こっちを注目しているのが分かっていた。




晴翔くんは、私の傍にいた。




騒ぎにならないよう、止めようとしてくれていたけど




「大丈夫だから、見守ってて」




そう私が小声で言ったら





何もしないで見つめている。




「そうだよ。裏切られた。

でも、それは好きな人が同じだっただけ。

私達、小さい頃からずっと一緒だったじゃん……

あの頃の事は嘘だったの?偽りの明莉だったの?

そうじゃないでしょ?……私にはわかるよ」




手の震えが、きっと明莉に伝わっているだろう。




「何をわかるっていうの……?

親友裏切っておいて、自分が辛いです。って

私がばかみたいじゃん……私だって戻りたいよ……」




明莉も震えていた。




「戻ろうよ。今度は、同じこと繰り返さないように

ちゃんと、思ったこと合ったら言い合おう?

何の為に私達に、言葉があるの?

話し合うためだよ?戻ろうよ。楽しくいようよ

お互い辛い思いする必要ないよ……」




「椿……。ごめん、私。

本当はもっと前に話そう、話そう、って

思ってたんだよ。

でもあんな形でバレて……。

ああいう風に言うしかなかった」




「私も気づけなくてごめん……。

私が気づけてたら、こんな思い。

2人してする必要なかったのに……

明莉に辛い思いさせなくて済んだのに」