寝れないな、なんて思ってたら
気付けばまた、二度寝をしていて
手を伸ばし、スマホの時計を見ると、11時20分だった。
もう少し時間が経てば、お昼の時間だ。
重い体を起こして、昨日の出来事を思い出しながら
自分の部屋のカーテンを開ける。
窓の外は、私の心のように土砂降りで、
雨の嫌いな私は、さらに心が沈んだ。
なんとなく机の棚を見ると、
誰もがこの本を持っていたぐらい。
一時期有名になった、人気の小説が置いてあった。
これは、帰ってる途中で、明莉の気まぐれさが
唐突に、いつもは興味がないであろう、本屋さんを
指でさしながら 『本、見に行きたい!』と
一緒に立ち寄った時、偶然気になって
買ったものの、全く読まずに
存在を忘れていた小説だった。
明莉との思い出もある本なんて
すぐにでも捨ててしまおうかと思ったが、
毎日楽しかったあの頃だけは嘘じゃない。
きっとそうだ……と思うと、
せっかく買った小説なのに、もったいない気がした。
それに、もし捨てたら
あの頃の記憶まで、消してしまうような感じがして
明莉と過ごした思い出、忘れられない。忘れたくない。
そう思うと…捨てるどころか、現実とは違う。
何か別の物に、集中したかった私には
今すぐにでも、読むべきだと思い
私は、小説を手に取った。



