「なんかね。
心にぽっかり穴が空いたような感じがして
まだ、夢なんじゃないかなって……これも夢、だよね?」
「夢じゃねえよ。俺と会ったことまで夢にすんなよ……」
「あ、ごめんなさい。傷つけるつもりはなくて……
でも、和輝くんの事、もっとわからなくなった。明莉まで」
「それにしても、なんで付き合ってるって分かったんだ?」
「2人がキスしてるところ、見ちゃったの」
「え……嘘だろ?」
「本当だよ。仲良さそうに手なんか繋いで
びっくりするぐらい距離近くて。
和くん、明莉ちゃんって二人とも呼びあってた」
「なんだよそれ……。大丈夫、か……?」
「泣けなかったんだ。
二人が帰ったあと、その場に座り込んだの」
「そしたら、晴翔くんが説教してくれた先輩の事、覚えてる?」
「ちゃんと覚えてるよ」
「心入れ替えたんだって。彼氏と一緒に声かけてきてくれた」
「それだけ。もう私の話すことなくなっちゃった」
「本当は、泣きに来たんじゃねえの?」
「私強いから泣かないよ?」
「嘘つくなよ、泣いてもいいんだぞ」
苦しさがこみあげてきた。
「ほら」腕を広げて私を呼ぶ。
晴翔くんの優しい声に負けて、弱い自分を表に出した。
思いっきり泣いた。
泣いても泣いても、さらに涙が出てくる。
「こんなに泣くなら和輝くんのこと好きになりたくなかった。
初めから晴翔くんに興味もって話せてたら……
もしかしたら付き合ってたかな……?」
「そうかもな」



