「まだ、だけど……」


小声で、返す。


だって、來斗に聞かれたら、私、恥ずかしくて死んじゃう。


「まぁ、今夜が初夜?」


「うっ、」


「頑張ろうね!いや、頑張ってね!哀華!!」


「頑張るって、何を頑張るの〜っ」


私が気にかかるのは、1つ。


爛れている、背中の傷だ。


整形も考えたけど、死ぬつもりだったし……來斗と和解してからは、そんな暇はなかったし。


勿論、したいなんて言えるわけもなく。


「不安……」


「そんなに思い詰めることないよ?」


「経験者〜っ、助けて!」


「んー、リラックスして、任せろとしか言えないなぁ……」


「リラックスって!!」


「大体はリードしてくれるから、大丈夫だよ?ほら、課長……じゃなかった、來斗さんは上手そうだし!」


いや、心配しているのは來斗の技術じゃなくて!!


「でも、なんで、上手そうなの……?」


やっぱり、浮気とか……?


「何、不安な顔してんの!なんで、私達がこんな風に言うのか、根拠はあるからね!」


すると、2人は声を合わせて。


「御門の幼なじみだから!」
「吊戯の友達だから!!」


……2人は旦那さんの相手に、精一杯のようです。