「メロ、ただいま」
副島は柴犬の顔をわしゃわしゃとなで回した。
「中村くん、この子がうちの柴犬のメロです」
副島は俺に向き直り、メロを紹介した。
メロもつられて俺を見る。
「メロメロになるくらい可愛いからメロって名前にしたんです」
副島は尋ねてもいないのに、名前の由来の説明をした。
その内容に、俺は脱力する。
「メロメロに可愛いからメロって、安直すぎだろ」
「安直? どこがでしょう」
副島は本気でわかっていないようで、首を傾げている。
副島の相手をしていると疲れる。
頭の中を切り替えたくて、メロに目を向けた。



