副島の家は、上下にクリーム色とベージュ色の二色に分かれた外壁に、赤い屋根の可愛い家だった。
女子が喜びそうな感じだ。
ちなみに、俺は生まれてからずっとマンション暮らしだ。
副島は玄関ドアを開けると、「メロー」と愛犬の名らしきものを呼んだ。
変わった名前だな、と思う。
今日、なんか似た言葉を聞かなかったっけ。
そんなことを考えていると、どこからともなく、チャッチャッチャッと小気味よい音が聞こえてくる。
何の音だ。
眉を寄せたところで、廊下の向こうの半開きのドアから、赤毛の柴犬が顔を出した。
そのまま廊下を歩いてくる。
柴犬が歩くたびにチャッと音が鳴り、どうやらそれは柴犬の足の爪がフローリングに当たる音だと気づく。
柴犬はつぶらな瞳を副島に向け、ハッハッハッと舌を出し、しっぽを振りながら、副島の足下までやってきた。



