「……ちなみに、風汰が作ったものだからな。俺は『桐乃ちゃんが起きたら食べさせて下さいね』と頼まれたからやったまでだ」
すでにノートパソコンに向かっていた櫂さんは、顔もあげずに素っ気なく答えてくれる。
まるで独り言だ。
文面をそのまま伝えてくるあたりは、櫂さんらしい……のかな?
なんとなく掴めてきた櫂さんの人柄に苦笑しながら、私は「ありがとうございます」と向かい側の席についた。
「あの、他のみんなは……?」
「学校だよ」
いただきますと手を合わせながら訊ねた私は、予想外の返答に箸を持ちながら目を瞬かせた。
「え、学校?」
「今日は平日だからな」
いや、たしかに平日だけど……。
「意外か? まあ華鋼の野郎たちは学校なんてまともに行ってないヤツばかりだし、その反応もおかしくはないが」
私の戸惑いように気づいたのか、さすがに顔をあげた櫂さんは、昨日の突き刺すような瞳はしていなかった。
むしろどこか懐かしそうに私を見て、ふっと笑う。



