「みや、び……ってまさか、あの!」
「月岡雅か!? てことは、隣の大翔ってやつは〝胡蝶蘭〟初代の……」
「なんで前代がこんなとこにいるんだよ! 俺らだけで相手出来るようなヤツらじゃねぇぞ……っ」
先ほどの威勢はどこへいったのか、一転して慌てふためく男たちに、〝大翔〟〝雅〟と呼ばれた二人は呆れたように息を吐いた。
「まあ最初からわかっちゃいたが……俺たちを知ってるってことは、十中八九、お前ら華鋼のやつだろう」
大翔さんの言葉に、相手の男たちの顔からさらに血の気が引いていく。
「無駄な血は流すもんじゃねえ。ここは見逃してやるから早く立ち去れ。雅の気が変わらねえうちにな」
「なに言ってんだか……俺より大翔さんの方が何倍も怖いくせに」
「はっ、そう言うなよ」
対してこのふたりの余裕ぶり。
私はふたつの大きな背中に庇われながら、ごくりと生唾を飲み込んだ。



