「ただ今戻りましたよー……って」 もともと丸っこい目が私をとらえて、大きく見開かれる。 「桐姉!」 「天馬……」 「ああ、目が覚めたのか」 天馬のあとに続いて入ってきた櫂さんは、相変わらずノートパソコンを抱えていた。 黒髪メガネの奥に光る瞳に視線をねじこまれ、慣れない威圧に反射的にたじろいでしまう。 やっぱりこの人、絶対私のこと敵視してるよね。 「あの……」 どう反応するべきか迷っていると、買い物袋を風汰先輩に押し付けた天馬がこちらへ駆け寄ってきた。