嘘つきお嬢様は、愛を希う



「族の基地がこんな豪華だとは思わなかった?」


「え、いや、あの……」



確かにそう思っていたけれど、さすがに「はい」とは言えない。


どう答えるべきか迷ってると、風汰先輩は気にした様子もなく言葉を続けた。



「胡蝶蘭は少し変わってるんだ。表面上は暴走族としての組織だけど、裏っ返せばただの家族だからね」


「か、ぞく……」


「うん、ここは族の拠点だけど同時に帰る家でもあるからさ。……まあ早い話、こういうのは全部大翔さんの趣味だよ」



そういえば、二年前に大翔さんがリフォームしたって雅さんも言ってたっけ。


あまりアンティークが好きなようには見えないけど、意外とこだわりがあるのかもしれない。